大木レポート


筆者プロフィール
大木昌光(おおき まさみつ)
取締役運用部長兼チーフ・ポートフォリオ・マネジャー

89年日本興業銀行、95年マッキンゼー・アンド・カンパニ 、97年より大手外資系証券、投資運用会社でアナリスト、ファンドマネジャー経験を経て、14年より現職。


株価の「melt-up」が今年のバズワードになりそう
【No.0058】
2019.5.14
4月17日のファイナンシャル・タイムズの紙面で、ブラックロックCEOのLarry Fink氏が、「世界の株式市場がmelt-upする態勢ができている」と発言したと伝えた。「melt-up」は、原子炉について使われる「melt-down」の逆の意味を形成すると思われ、日本語としては、株価がじわじわと不可逆的に上がっていく様子を示していると思われる。
 この言葉は、世界的な景気回復に懐疑的な見方が台頭する中、年初来でスルスルと10%前後上昇してきた日本株にも妥当するものであるが、米国においても資金流入を伴わない株価上昇が起きているという意味で、日本と似たり寄ったりの状況にあることが窺える。逆に言えば、株式市場に向かう可能性がある待機資金は世界的にふんだんに残されており、それが株式市場に向かうことで、更なる株価上昇が期待できることになろう。
 ところで、2018年初頭から世界経済が減速に向かい、2018年の後半に株式市場は荒波にさらわれた形になったが、株価が好調だった2017年との比較で、多くのテーマが現在でも生き続けていることには注意が必要だ。5G、自動運転、IOTなどは順調に進展している。EVはテーマとして過熱感があったことは間違いないが、依然として着実な進捗を示している。仮想通貨についても、2017年末のブーム比較で、市場の関心は完全に冷めつつあるが、ブロックチェーンへの期待が逆に高まっている中で、今後の復活が期待される。VRも、現在ではテーマ性自体が失われた感も強いが、5G環境における有力コンテンツとなるポテンシャルは軽視できない。
 以上のように、これから株式市場が資金流入に転じ、かつ、上記のようなテーマが株式市場で強く意識される形になれば、株式市場は「melt-up」に向かう可能性が十分にあると、私も感じている。世界の株式市場は、色々な意味で転換点にあるように思われる。

大木 将充


※ 当コーナーは、投資家の皆様への情報提供を目的としてファイブスター投信投資顧問株式会社が作成したものです。 当コーナーに掲載する記事の中には、当社設定投資信託をはじめ特定の金融商品を取り上げている場合がございますが、これらの金融商品の売買を推奨・不推奨するものではありません。投資に関する最終判断は、投資家の皆さまご自身でなさるようにお願い致します。また、当コーナーの掲載内容に基づいて行った投資行為の結果については、当社は何ら責任を負いません。
※ 当コーナーの内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
※ 当コーナーの内容に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。