大木レポート


筆者プロフィール
大木昌光(おおき まさみつ)
取締役運用部長兼チーフ・ポートフォリオ・マネジャー

89年日本興業銀行、95年マッキンゼー・アンド・カンパニ 、97年より大手外資系証券、投資運用会社でアナリスト、ファンドマネジャー経験を経て、14年より現職。


アマゾンの「ECビジネスモデル」にリスク台頭
【No.0077】
2019.12.13
最近、私にとって最も印象的だったニュースは、ナイキのアマゾンからの撤退だ。ナイキは、アマゾンで自社製品を売らないことを決めた。
ナイキのみならず、いくつかの有力ブランドがアマゾンから距離を置き始めていた中、ナイキの今般の決断は、一つの方向性が不可逆的に進行していることを暗示する。ダイレクトマーケティングだ。別の観点から言えば、ECサイトやECモールの栄光の時代の終焉である。
ナイキのような有名なブランドは、あえてアマゾンに頼らなくても自社製品を自社サイトや自社店舗で販売できるし、仮に他社店舗や他社サイトで売る場合には、「売って頂く」という姿勢ではなく、「売らせてあげる」という強いスタンスで臨める。つまり、採算に合わないチャネルでの販売は自由にやめられるのだ。ナイキがアマゾンから撤退したことの意味は、アマゾンがもはや「誰もが出店したい世界最大級の小売り」から、「採算性から出店を判断される一販売チャネル」に成り下がるリスクに晒されていることではなかろうか?
このように考えていくと、90年代から最強のビジネスモデルとされてきたアマゾンのEC事業でさえ、開始から20年強経過して、ピークを過ぎて古臭いビジネスモデルに見えてくる。世の中の流れが、いかに速いかということに驚かされる。
そのような中、金が集まりすぎて米国株に投資先を拡げたファンドがあると聞く。日本人が、日本株アクティブ投信で強みを構築できる可能性は十分にあるが、それが奏功するのは、日本語が幅を利かせる日本社会の中で、日本語を武器として、日本企業を投資対象とする形で、足で稼ぐリサーチを行う場合に限られる。そんなビジネスモデルの会社が、欧米株投資で勝てる可能性はもともと極めて低いと考えられる。アマゾンのビジネスモデルが20年で古臭く思えるような時代では、なおさらだ。

大木 将充


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