大木レポート


筆者プロフィール
大木昌光(おおき まさみつ)
取締役運用部長兼チーフ・ポートフォリオ・マネジャー

89年日本興業銀行、95年マッキンゼー・アンド・カンパニ 、97年より大手外資系証券、投資運用会社でアナリスト、ファンドマネジャー経験を経て、14年より現職。


SNSは、新型コロナウィルスには無力だが、使い道はある
【No.0088】
2020.3.11
かつて、ある企業で働いていた時に、私が取引先と行おうとしていたある取引の法律的側面が話題になったことがある。その時は、同じ部署の人間が集まってきて、侃々諤々の議論が行われた。私は、それを聞きながら、「色々な考え方があるものだな」と感心する一方で、「法務部に聞けば早いのに時間がもったいないな」とも感じていた。
実は、SNSも同様の問題を孕んでいる。例えば、新型コロナウィルスの問題は、現在、日本国民のみならず、世界的にも最大の注目を浴びせているトピックで、実際にSNSの投稿も極めて多いのであるが、それらの大半はほとんど何の役にも立たない。過度に専門的な問題である上に、新しい問題でもあるから、それに対し有意義な情報をほとんどの人が持ち合わせていないからだ。
このような時は、1000人の素人に聞くより、一人の専門家を探してきてその人に聞いた方が、適切だと言えよう。
しかし、そのような時でも、SNSの使い道がないわけではない。SNSの投稿者が、新型コロナウィルス問題について、何を感じ、誰の意見を重視し、どのような行動を行っているかの有力な手掛かりとなるのだ。
金融市場は、新型コロナウィルスの「実態」に支配されているのではない。新型コロナウィルスに対する「人間の感情」に支配されているのだ。したがって、後者の動向は、投資を行う上で、大いに参考になる。
なお、そうした情報がどのように参考になるかは、この場では申し上げないことにしよう。それは、私が運用しているファンドの投資家に捧げるものだからだ。このような分析や知見は、委託報酬をご提供下さっていることに対する、ファンドの投資家の皆様への対価なのだ。
そうした背景も理解せず、アクティブファンドについて、馬鹿でも運用できるパッシブ投資と手数料率を比較したり、アクティブファンド間の優劣を手数料の多寡のみで判断する無知な評論家が後を絶たない。

大木 将充


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