大木レポート


筆者プロフィール
大木昌光(おおき まさみつ)
取締役運用部長兼チーフ・ポートフォリオ・マネジャー

89年日本興業銀行、95年マッキンゼー・アンド・カンパニ 、97年より大手外資系証券、投資運用会社でアナリスト、ファンドマネジャー経験を経て、14年より現職。


個人の皆様、無謀なリスクテイクはやめましょう
【No.0089】
2020.4.9
2008年のリーマンショックの渦中で、株を買い漁った人は、大儲けしたはずだ。「現在のコロナ問題における株価下落でも、同様のことが言える。大儲けできるチャンスだ」と考える人がいても、不思議ではない。その結果として、大儲けできる可能性は相応にあろう。
しかし、私は、今回もリーマンショック時と同様の道を辿るかどうかには、あまり自信がない。その理由は、@今回のウィルスの実態が掴めないことと、Aウィルス拡散防止の妙案が外出自粛(外出禁止)くらいしかなく、それが経済に100%のダメージを与えること、の2点だ。
特に、私が不気味に感じたのは、上記@に絡み、感染したプロ野球選手の症状を通じて明らかになった、コロナウィルスが味覚や臭覚に異変をもたらすという点だ。こんな部分にまで影響を与えるのかという衝撃と、これまで多くの患者が発生して、そうした症状が傾向的に見られたであろうと予測される中で、初めてそうした情報が明らかになったことの衝撃、つまり情報公開への不信感だ。後者の衝撃は、コロナウィルスについて、何か重要な情報が隠されているのかもしれないという、個人的不信感に関わるものである。事実がわからなければ、それへの分析とアクションが正しいものにならない。これが、今、私が資金運用しながら、不安に思っている点だ。
こうした中で、一般の方々が考えるべきポイントは、物事に適切な優先順位をつけることであろう。最も重要なことは、自分と家族の「命」だ。そして、「お金」はやはり重要だ。大切にしなければいけない。その中で、冒頭に述べた通り、今、大胆な投資を行えば、大儲けできるかもしれない。しかし、それと同じくらい重要なことは、リーマンショックの渦中に投資する必然性はなかったし、その時に投資しなかったから損をしたということはないし、その後に、より安全に儲ける機会が発生したということだ。
特に、住宅ローンなどの借金を抱えている人が、余剰資金を株式投資に充てるようなことは、絶対に行ってほしくない。ただでさえ、現在は、すべての人々が職業の安全性が脅かされていて、将来の返済原資がリスクに晒されている中で、現在の返済原資まで減らすリスクがあるからだ。
持ち家所有者は、既に自己資本を超えた不動産投資を行っている人であるという事実を、重く受けとめるべきであろう。

大木 将充


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