大木レポート


筆者プロフィール
大木昌光(おおき まさみつ)
取締役運用部長兼チーフ・ポートフォリオ・マネジャー

89年日本興業銀行、95年マッキンゼー・アンド・カンパニ 、97年より大手外資系証券、投資運用会社でアナリスト、ファンドマネジャー経験を経て、14年より現職。


リモートワークで気づいたこれまでの無駄
【No.0090】
2020.4.9
コロナウィルスの影響を受け、弊社でも2月28日から、基本的にリモートワークの方針が採用され、私も不要不急の際には自宅で運用の仕事を行っている。職場との比較で言えば、不便な点も少なからずある。会社にある資料へのアクセス、同僚とのシームレスのコミュニケーション、IPO関連ミーティングなどの観点からは、会社で仕事を行う方が明らかにスムーズである。
しかし、企業やアナリストとのミーティング、普段の発注業務、通常のリサーチ、などについては、ほとんど支障を感じない。特に私がメリットを実感したのは、通勤などの移動時間が不要な点だ。労働時間を通勤時間を含めたベースで考えると、恐らく1-2割の時間は移動に費やされていたと思う。これがなくなり、コロナ問題での緊張感を抱えながら運用する中で、ちょっとしたゆとりを感じられる瞬間があったことを否定できない。
思い起こすと、私はアナリストの時、世界中の投資家を訪問したが、お会いした中には、リゾート施設のような環境で働いておられる方も少なからずおられて、「こんなに緊張感がない中でまともな運用業務ができるのか」との疑問さえ抱いたものだ。しかし、どの場所で運用しようが、仕事中にウオッチしているのは基本的には金融市場であることから、ブルームバーグのような情報端末があれば、自分を適切にマネジメントできる自制心の高い人であれば、十分に運用を行っていけると感じている。
なお、そうは言っても、「日本人が日本株の運用で、外国人に負けてはいけない」という信念は、いささかも揺るいでいない。金融市場を情報端末で把握・分析することも重要だが、日本人が多く関わり、日本語が多く使われ、日本という地理的場所を重視している日本企業に関する直接的・具体的・実感的情報は、日本にいて日本語を話し日本企業と日常生活で接する日本人ファンドマネジャーが、圧倒的に大きなアドバンテージを有するからだ。


大木 将充


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