大木レポート


筆者プロフィール
大木昌光(おおき まさみつ)
取締役運用部長兼チーフ・ポートフォリオ・マネジャー

89年日本興業銀行、95年マッキンゼー・アンド・カンパニ 、97年より大手外資系証券、投資運用会社でアナリスト、ファンドマネジャー経験を経て、14年より現職。


ESG(環境・社会・ガバナンス)重視の流れは不可逆的になろう
【No.0097】
2020.6.11
先日、コロナウィルスに関するテレビを見ていて、興味深い考え方を耳にした。それは、人間の進めてきた都市化によって、人が未知のウィルスに遭遇する可能性を高めるという点だ。
これまでは、都市化の推進により、自然破壊による生態系の破壊、地球温暖化といった弊害が生じることを誰もが認識していたが、そうしたリスクが、個々の人から見るとどこか他人ごとのように捉えられていたように思う。だからこそ、過度の都市化や、それに伴う弊害について、何とかしないといけないと誰もが思いつつも、迅速かつ有効な手段が打たれる機会が少なかったと考えられる。 しかし、今回のコロナ問題によって、感染力が強い新種のウィルスに遭遇したことで、人類はこれまで惰性的に行ってきた日常的行動に対し、懐疑的視点から見直すことを余儀なくされよう。少なくとも、今後は、新たなウィルスのような人間にとってのリスクに関し、その発生を根本的に抑止する方向性を真剣に考える必要性に迫られよう。
この流れは、運用業界においても、決して無視できない。具体的には、ESG(環境・社会・ガバナンス)、特にE(環境)と、S(社会)への強い配慮を伴った投資が求められてくるようになろう。
弊社でも、新たなESGファンドの組成や、他のファンドにおける銘柄選択に際してのESG的思考の採り入れなどを通じて、この流れに乗るのみならず、業界の先を走れるよう努力していきたい。特に、弊社では、第一歩として、「株主至上主義を脱却する形での、従業員をはじめとする各ステイクホルダー重視の姿勢」を銘柄選択の中心要素にしていきたい。
それは、ESGにおけるS(社会)重視ということになる。しかし、それは決してE(環境)の軽視を意味しない。ただ、各企業のE(環境)への配慮を具体的に見極めることは、企業ごとに事業内容の相違などがあるため、極めて困難なのだ。一方で、各企業のS(社会)への配慮は、比較的容易に外部からも判別できる。そして、S(社会)に配慮する企業は、E(環境)にも配慮しているはずだ。そんなロジックで、これからは企業を捉えていきたいと考えている。

大木 将充


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