ファンド運用者の運用責任を明確にすべく、私の名前「昌光」をファンドに付しました
私どもファイブスター投信投資顧問では、弊社にとって三本目の公募投信であり、かつ、初の日本株公募投信でもある「MASAMITSU日本株戦略ファンド」を設定致します。10月27日に募集開始、11月27日にローンチとなります。
今回は、社内でも議論を重ねた上で、運用者である私のファーストネームの昌光にちなんで、ファンドに「MASAMITSU」という名を付しました。
「大木レポートNo.0028」にも述べましたが、ファンド運用業務はというのは、運用会社が一体となって行う共同作業の産物であり、弊社においても弊社のメンバー全員で作り上げていきます。ただし、実際にファンドがスタートした後は、日々の運用に当たるファンドマネジャーが、ファンドのパフォーマンスに関する責任の大半を取るべきであることは言うまでもありません。また、ファンドマネジャーは理想的に言えば、パフォーマンスの良し悪しにかかわらず、投資家の皆様に運用方針などを披露するなどして継続的に説明責任を果たしていくべきものと考えます。その結果、投資家の皆様が、実際に運用しているマネジャーに対する認知を深めると共に、運用者がその認知を可能な範囲で「信頼」の領域にまで高めていくことが、ファンド運用の基盤になるべきと考えております。以上が、ファンド名に個人名を付した背景です。
日本株を持つ意味の再考
日本株のパフォーマンスは、確かに80年代に発生したバブルが崩壊した後は低迷していて、それが日本株投信の人気に火がつかない一つの理由であろうと考えられます。
しかし、私は、日本人にとって、今後は株式を保有する意義が高まっていくと考えています。
第一の理由は、多くの市場関係者が考えているように、2020年の東京五輪前後までは、豊富な建設案件を背景に、日本経済にとって相対的に好調な時期が続くと考えられることです。
これは楽観的シナリオですが、実は私は、第二の理由として、世界経済や日本経済に暗雲が漂うという悲観的シナリオ下でも、株式保有の意義が高まる可能性も否定できないことが挙げられます。例えばGDPの2倍の国債残高を抱える日本の財政リスクは否定できないと思われます。その場合に、将来のどこかで、日本国の負債である国債や円通貨への信任が落ち、悪性インフレが発生する可能性はありうると思われます。そうであれば、インフレに強い株式保有の意義は高まります。
これについて、国債の大半は日本人や日本企業・日本銀行が持っているから問題ないという議論が見られます。しかし、これは間違っていると思います。そこには私の立場からの明確な理由がありますが、それについては今回の本題から外れますので、稿を改めたいと思います。
なお、現在多くの人々が懸念しているように、日本はこれから、インフレどころか再び低成長・デフレになる可能性があり、その際の株式保有の意義が低まることについては、一般論として反論は困難です。しかし、ここで日本株の特性、日本人の力を見つめなおす必要があります。上場している日本株は約3900ありますが、少なからずの会社には成長の可能性が残されていくと思われます。現に、2012年まで続いたデフレ時代においても、ユニクロ、しまむら、サイゼリアなどの会社は成長を継続してきました。また、盛衰はあったものの、SNSやソーシャルゲーム関連の会社の中で、DeNA、グリー、ガンホーなどの会社が急成長を果たしたことも記憶に新しいです。高齢化が懸念されている中で、その懸念へのソリューションを提供する形で成長してきたメッセージ、ツクイのような会社もあります。つまり、インフレであろうがデフレであろうが、高齢化が進もうが、その環境を背景にした新たな業態の台頭が期待できると思われるのです。そのような銘柄の発掘を丹念に行っていくことで、継続的なリターンを上げていくことが可能です。
もちろん、デフレ下や、高齢化・過疎化の進展下では、多くの企業が、成長困難に直面するかもしれません。ここで申し上げたいことは、だからこそ、インデックス運用に代表されるパッシブ運用が、このような環境下で力を発揮しにくいという意味で、アクティブ運用が見直される可能性があるということです。
いずれにしましても、私たちは、全力で投資家の皆様のために、汗を惜しまぬ運用をして参ります。
今後の「MASAMITSU日本株戦略ファンド」に是非ともご期待頂きたく存じます。
大木昌光