私は、今年も4年連続で日経ヴェリタスから要請を受けて、2019年の株価・為替の予想を掲載して頂いた。この場をお借りし、日本経済新聞社と日経ヴェリタス誌に御礼を申し上げたい。
年始の紙面の予想であるから、予想自体は12月中に締め切られている。しかし、今年は12月に一貫して下落基調が続いたことから、予想の締め切り後も予想変更が認められるという異例の事態になった。
このように12月の超弱気市場が反映された各氏の予想であったが、今回の予想一覧を概観して、思ったことが2点あった。
第一に、ほぼ全ての方の予想が、高値が25,000円以下であった。25,000円というのは、10月の24,000円超の水準からわずか4%程上の水準に止まる。すなわち、多くの人が弱気相場に引きずられて悲観的予想に傾いていたことになる。経済ファンダメンタルを無視した私の直感では、このような時は、往々にして株価は逆方向に振れ、株価が上振れしやすいように感じた。その意味では、皮肉な言い方だが、今年は幸先の良いスタートを切れそうだ。
第二に、今年は18,000円-25,000円の狭いレンジにほぼ全ての予想が包含される形になった。これだけ多くの人の意見が似通って、特定のレンジ内に収まったことも珍しいと感じた。そのような時は、往々にして予想は外れやすい。ただ、外れるとしたら、大幅上昇か暴落のいずれかになるので、この観点からは楽観も禁物、悲観も禁物ということになる。
ところで、今年を除く過去3年の私の予想は、概ね当たってきたと自負している。2018年も私の年初高値、年末安値の予想は当たっていたと思う。日経ヴェリタス様には、是非その辺りの検証をお願いしたい。5月27日の同誌上にお示しさせて頂いた予想でも、12月予想が20,000円であり年末実績が20,014円であったことからすると、ほぼピタリであった。ところで、私の過去の予想値は、他の市場関係者と大きくかけ離れていた点に特徴があった。しかし、今回の私の予想は、他の市場関係者と大差がない水準にある。ということは、私は今年、初めて自分の予想が大きく外れるのではないかという悪い予感を禁じ得ない心理的状況にある。
大木 将充